知識・教養を満足させられた本(科学系)
生意気ながら,100点満点でオススメ度を採点します.
動的平衡,生物と無生物の間 (福岡伸一)<80点> 2012.02作成
生命とは何か. 量子力学的な”ゆらぎ”は,一見生物には脅威である.必然性が担保できないから. しかし,この”ゆらぎ”こそ,生命が生命たるゆえんである. 詳しい感想は,ブログに.
大気を変える錬金術 (トーマス・ヘイガー) 毒ガス開発の父ハーバー(宮田親平) <85点> 2012.02作成
高校化学で習うハーバー=ボッシュ法(N2+3H2→2NH3)の誕生に関する物語.
N2の3重結合はかなり固いが,ほどけば肥糧に活用できる.
現在世界に存在するN2以外の状態の窒素は半分以上は,
ハーバー=ボッシュ法によるものであり,世界の食糧生産への貢献度はかなり高い.
しかし,成立は第一次世界大戦時のドイツにおいて,爆薬への使用のためだった.
現在,人類の命を救う技術は,同時に多くの人命を奪った技術であった.
科学の発展には,やはり人や国家のエゴがからむのだという,歴史の物語.